今年の夏は・・・!


立春を過ぎても 厳しい寒さが続いていますが、みなさん お元気ですか?
『うたの木seasons“春”』が出来上がって「早くみんなの手元に届けたいな・・・」と思いつつも、 実際リリースするまでは何とも言えない緊張感。。。これは、二十何枚アルバムを創っていても慣れることはないし、変わらない感覚です。
合格発表を待つ受験生というのか、新作のお菓子をだして「ん・・・!!!おいしい!!!」って声を聞く前のパテシエの気持ちとでも言うのでしょうか。とにかく、今年のさくらは、このアルバムのおかげでより鮮やかに見えそうで、今から楽しみです。と、言いつつ、 もうすでに夏・秋のアルバムの準備に取り掛かっている今日この頃。特にこの夏は、いつにも増して特別な夏になりそうです。

1985年の5月にデビューして、今年は名実共に20周年。

本当は昨年が20周年の年にあたるのかもしれないけれど、ありがたいことに、デビューの翌年にはスタジアムの舞台に上がっていたので、1986年の夏に『KICK OFF』から始まった夏のライブも、今年で20年を迎えます。
場所はもちろんあの球場。・・・・・いや、ドームですね。
それまで国立競技場や秩父宮ラグビー場には行ったことはあっても、野球場には縁の無かった私が、まさか、20年もスタジアムライブをやらせていただくことになるとは!

西武の前には、今は無き、大阪なんばの大阪球場(その頃は南海ホークスだった!)や、西宮球場、名古屋球場でもライブさせていただきました。
ひと夏、ひと夏、完全燃焼のつもりでやってきましたし、選手で言うならば、複数年契約はしない、一年契約?のさすらいのスタジアムシンガーとして、ここまできました。
一年、一年ピリリとした緊張感のなかで。
「今やりたい事を、今年叶えたい夢を、ライブでおもいっきり!」って思いで走ってきました。
回を重ねるごとに、大きな場所ならではの醍醐味を存分に感じることができ、
次にやるなら、あんな事!こんなライブ!この曲スタジアムで歌いたい!!!
と、夏に照準を合わせ スタジアムサイズでいろんなことを考えるようになりました。
おかげで、声も、体力作りも スタジアムが標準。 スタート時から、錚々たるメンバーやスタッフに恵まれ、そして何より世界一ハートのステキなファンの方々に支えられて、本当にいい時間を重ねさせて頂いている事に、心から感謝です。

大きな風船のリボンで舞台を包んだ『ribbon power』、嵐でやむなく中断となったあの夏の日。 巨大なメリーゴーランドが舞台上に登場したり、自転車で走りまわったり、気球に乗って飛んでみたり。 和太鼓とセッションしたり、胡弓とロックしたり、ダンサーとおもいきり踊ったり・・・・・・。 そうそう、あのスーパーアイドル「ドラえもん」とも舞台にあがりました。 ほかにも、たくさんの大好きなミュージシャンの方たちにもゲスト出演していただきました。

数々のドラマを生み出してきた、このスタジアムライブ。
2005年の夏  今年のタイトルは

 MISATO V20 スタジアム伝説〜最終章〜 NO SIDE

に決定しました。

そう 最終章。  
20年・・・は、節目として、ふさわしい瞬間(とき)だと おもうのです。
選手であれば、FA権を2回行使できる(???のかな。)・・と、まあ、それくらい一所に腰を据えて勤めあげて、自分自身、これからまた新しい場所・未知なる舞台に立ってる自分が見えたし、もっと違うステージに立つ自分に、私自身、すごく興味があるのです。 次は、 メジャーの球場かっ???セリエのピッチかっ???それも、胸踊る構想。さすらいのスタジアムの旅は続くのであります。

1995年10年目の夏のライヴでグランドを一周して舞台に戻った時、 長距離ランナーが走りきった時のように ゴールのテープがあって、胸でそれを勢いよくきって、ゴール!!!!!と、なるのかな、と思っていたのですが、なんと、道はまだまだ続いていて(何故か白い道だった。。)、
10年じゃ真のひとつの仕事を達成したとは言えんぞ、まだまだ道のりは長いのじゃ!!!
・・・と、うたの神様の声が聞こえてくるみたいで。(笑)
白く光る道は この夏へと続いていたのか、と今なら思えるのです。

最終章となる 今年のステージ。ぜひともたくさんの方達に観てほしいです。

『早春賦』という歌の中に「春は名のみの 風の寒さや・・・・」とあるのですが、まさにそのとおり、春とは名ばかりで、なんと風の冷たいことでしょう・・といった日々ですが、うちのベランダのバラの鉢植えをよーくよく見ると、新芽がちょこっと出ています。こんなに 寒いのに・・・・。
オーケストラやアコースティックのライブで、ベッドミドラーの『ローズ』を歌った成果がここに!!って気分で、うれしい!このバラがどんどん育っていく頃、夏がやって来ます。

では では、この夏、あの場所で。         

                                  渡辺美里