17年目の夏、ライブを終えて
  
真夏のスタジアム ライブ、無事 終了しました。
  
今、とっても充実した気持ちでいます。毎年毎年、その時々で、自分の中での テーマや、トライすること、自分との約束を決めて、そこに向かってコンサートを創りあげていくのですが、今年は特に、音楽的な部分でも、精神的な部分でも、思い描き、夢に描いていたことが、ちゃんと実現できました。
  
『じゃじゃ馬ならしツアー '02』で、サウンド面を、がっちり支えてくれたおなじみのバンドのメンバーと共に、この夏は、『Cafe mocha 〜うたの木〜』で、素晴らしいアレンジをしてくださった 金子隆博さん、そしてビックリ・ホーンズ・ビー!(BIG HORNS BEE)の、みなさんにも お手伝いを頂きました。
  
ホーンセクションとの『バースデイ』 ほっこりして よかった。『恋のバカンス』は、より情熱的な 恋になったし。
  
また、大好きな曲『蘇州夜曲』 『悲しくてやりきれない』・・・などを、二胡奏者の チェン・ミンさんと ご一緒することが出来ました。
  
チェン・ミンさんは、音も ご本人も、本当に きれい。背筋が、いつも ピーンとしていて、立ち振る舞いも しなやかで、「 楚々とした美人 」とは、こういう人のことを言うのだなあ、、、と、女性である私も、うっとりでした。
  
『BORN TO SKIP』では、壮大な 大陸を感じながら 歌うことができました。自然と雰囲気が とけあった時、「あー、私もアジア人なのだなー。」と、感じました。チェン・ミンさんに「ぜひ、蘇州や、上海でコンサートを」と、言われた時今までは、思ったこと なかったけど、トライしてみたいな・・・と思いました。
  
リハーサルの時、チェン・ミンさんの お母様が、手作りのワンタンを差し入れしてくださったのですが、そのワンタンの美味しかったこと!!!忘れられない味が ひとつ増えました。(笑) そして、本番の前にはな、なんと!すっぽんの姿煮(・・・?)を、差し入れしてくださったのでした。猛烈な暑さが続いていたので、コンサートに向けてパワーが出るようにと・・・。
  
タッパーを開けると、そこには、衝撃映像が・・・!!!!!!
  
チェン・ミン ママ、謝謝!です。
そんな、家族の愛と、スタミナたっぷり( ? )に育てられた チェン・ミンさんと は、不思議な ご縁を感じます。出会ったのは最近ですが、きっと長い お付き合いができる方だなあ、と思っています。
  
そして、そして、もうひとかた、『新 真夜中の王国』のパートナー「ぐっさん登場!」は、私、メンバー、スタッフが、すごーく楽しみにしていたコーナーでした。 くずの兄貴、そして、YMCA!大合唱は、言うことなし。ぐっさんは、持ってるオーラが、ロックミュージシャンなんだな。だから、同じステージにいて、すごく心地よいの。
  
とにかく、興奮と、感動と、涙と、笑いと!!愛にあふれたライブでした。来てくださった みなさん、ホントに、本当に ありがとう。惜しくも、今年 行けなかったあーと いう方は、ぜひ、スカパーを。
  
超 ドすっぴんの、潔い私がいますから。コンサートの前の日、今まで聞いたことないくらいの数の雷と、雨のおかげで、当日は、みごとなまでの お天気と、蒸し暑さでした。 ( 少なくとも、舞台上は )オープニング、一曲目で、みごとに、ちゅるんと、素顔の私。“ 気 ” のほうが、上をいっている様子で とっても、男前な わたくしでした。(笑 )
  
そんな、楽しい たくさんの想いをもって望んだ 17年目の夏。
  
本番直前の7月の終わり、『ribbon power』から、数年前まで、ずっとコンサートの 舞台監督を務めてくれていた、鬼塚玲二さんが、亡くなられました。あまりに突然のことで、自分でも どう受け止めたらいいのか わからなかったのですが、うろたえては いけない、いいライブをすることが、鬼さんが一番 喜んでくれることだ・・・・・と、意識を集中させました。
  
鬼塚さんとは、本当に長い間、いいステージを創るってことで、がんばってきたし、戦ってきたし、私の歌を、とっても愛してくれていたスタッフでした。「 美里が歌うと、どんな場所でも、ステージになるね。」と、共通の友人の結婚式で、歌った時、妙に納得したように話してくれていました。ここ最近は、少し離れていたけれど、いつかまた、一緒に仕事をする人だと思っていました。バンドのメンバーとは、「 鬼さん、絶対 見に来てるよね 」って言ってたんだ。
  
そして、もうひとかた。新聞や、テレビなどで、ご存知のかたも多いと思いますが、 TBSラジオの林 美雄さん。ずーと、毎年 ご家族で、西武ライブに来てくださっていました。林さんの息子さんは、私と同じ7月12日生まれで、名前も一字違い。ハイハイしてる赤ちゃんの時からライブに来てくれていて、数年前も、専門学校に行ってます、って報告してくれたりして。林さんは、デビュー前に、TBSの廊下で、偶然お会いして、「このコの目がいい!!」っと、おっしゃって、深夜放送をやらせたい、っと、思ってくださったそうです。まだ、レコードも、何もリリースしてない私に。
  
スーパーギャングの生放送に、毎週 顔をだして、ちょこっ、ちょこっとアドバイスしてくださったのでした。そんな、長く、深い お付き合いのある方達が、相次いで亡くなられたこと、とても、淋しく、今でも どこか、まだ信じられない気持ちです。その、かけがえのないスタッフにも、しっかりと見守られながらこの夏のライブ 成功させることが出来たのだとおもいます。
  
心から、合掌。
  
『10years』のMCの時は、そんな想いも あって、「大人になったんだなあ・・・」って、言葉を選びました。すべてを、伝えきることは出来なかったと おもうけど。
  
今まで感じたことのない おもいを抱いて、17年目のステージに立ちました。
  
一瞬を、強く生きる・・・その積み重ねが、17年連続のスタジアムライブになっているのだと思います。
  
これから また すぐ制作活動に はいります。夏以降の わたくしに こうご期待!
  
それまでは、『ソレイユ』『Cafe mocha』を、じっくり味わってね。
  
夏と、ライブの神様に、そして、集まってくれた みんなに、スタッフに、友達に、家族に感謝!!
  
残りの夏も いい時間を過ごしてください。
では、また。
  
渡辺 美里