1月3日

いまだ日本全国が正月モード真っ只中のこの日、The Jeevas、成田空港に来襲いたしました。昨年7月にフジロック出演のため来日した際は、うだるような暑さの中、なんとウールのロングコートを着て日本にやって来たクリスピアンを見て腰を抜かしそうになりましたが・・・今回は、短い丈のジャンパーにダウンベストを着てました。(良かった、Tシャツ1枚じゃなくて・・・。)相変わらず元気そうに見えたアンディが「いやあ、日本に来る直前、肋骨2本折っちゃってさ・・・お医者さんに、今後6ヶ月はライヴは禁止、って言われて、『いや、3日後からジャパン・ツアーなんすけど』って言ってきちゃったんだ」と話してくれ、日本人スタッフ一同ビックリ&心配。肺を圧迫するという理由で、コルセットなど固定するものは全く付けられないとのこと。

この日は東京に宿泊。半年ぶりの日本ってことで、ディナーはやっぱり・・・インディアン。昨年7月に訪れた都内の某インディアン・レストランをいたく気に入ってしまったクリスピアン。「もちろん、あそこしかないでしょ」と言う彼の一言で、ダン、アンディー、イギリス人スタッフ全員で、そのレストランへ。と、半年ぶりに訪れたというのに、そこのインド人店員さんはThe Jeevasのことをしっかり覚えていて(7月に連日通いつめたせいか?)「おお、いらっしゃい。今年もよろしくお願いします」と言ってくれたのでした。もう、すっかり常連です。

1月4日

この日は、3人とも楽しみにしていた札幌へ移動。アンディは、前日から、とにかく雪が楽しみでしかたがない様子。クリスピアンは、「お父さん(継父)に、『年明けに、また日本に行くよ。今度は札幌にも行くんだよ』って言ったら『そうか。札幌はビールが有名だよな』って言うんだよ。ハハハッ・・・」と言っていました。飛行機が千歳空港の上空で高度を下げ始めると、窓から見えたのは一面の銀世界。「わーい!雪だー!」と子供のように大喜びする3人でありました。

そうそう、機内でクリスピアンが、ちょっと可哀想な目に遭ってしまいました。お昼前に都内のホテルを出たものの札幌に着陸するのは14:30、という微妙なスケジュールのため、ランチを食いぱっぐれ、機内で腹ペコ状態になってしまった彼。「え?機内食は出ないんだ!フード類の機内販売もないの?」ってことになり、唯一機内で売られていた「おつまみ」を買おうとしました。『「おつまみ」は、あられ煎餅とかが入っています』とフライト・アテンダントに説明されたため。しかし、その後「おつまみは、ビールを購入された方にお付けしているもので、おつまみ単品での販売はしておりません」と言われ、しかたなく、欲しくもないビールを500円出して購入。ところが!おつまみの袋を開けて見ると・・・魚類のおつまみがほとんどで、クリスピアンが食べられる煎餅とピーナッツは、それぞれ2粒ずつ入っていたのみでした。「500円で、これだよ!」と苦笑いしながら、ピーナッツ2粒をかじるクリスピアン。ビールはダンにあげていました。

夕方は、レコード店でのTV番組収録&インストア・イベントに。大勢のファンを前にした公開インタビューで、一番緊張していたのはアンディ。終わった後、彼は「今までで一番不思議な体験だったかも。インストアで公開インタビューなんて・・・ウェストライフにでもなった気分だよ。恥ずかしかったー」との感想を。

1月5日

サウンドチェックの前に、3人揃ってショッピングへ。みんな、お目当ては古着のお洋服。ダンはチェックのカウボーイシャツ(似合いすぎ)とベージュのコート、クリスピアンとアンディは、それぞれTシャツを2枚ずつ購入。特別に値引きまでしてもらい、「札幌はイイ街だ!ショッピングは大成功!」、とクリスピアンご満悦。買った古着のコートをとても気に入ったダンは、イギリスから持って来たコートはリュックに詰めて(カサばる!)、背負って歩くことに・・・。

ショッピングだけでなく、札幌での初ライヴも大成功に終わらせ、この日のディナーは・・・インディアン!しかし、食事の間隔が開くと、ただでさえ血糖値の下がりやすい体質のクリスピアン。(しょっちゅうバナナを食べているのは、好きだからでもあるんだけど、空腹感を押さえ血糖値を上げるためでもあるのかもしれません。)激しいライヴの後は、ヘロヘロになってしまうのです。レストランに入るなり、ソファーに倒れ込むようにして眠り始めてしまったクリスピアンのために、優しいアンディが「クリスピアンだったら、きっとこれをオーダーするかな」と、彼が食べそうなものをオーダーして、料理が運ばれてきてから起こしてあげていました。ひとたび食べ物が胃に入ってしまえば、もう大丈夫。まるでポパイがほうれん草を食べたかのように復活して、急におしゃべりになるクリスピアンでした。

1月6日

午前中にホテルを出発して、千歳空港から再び東京へ向かう・・・はずが、滑走路の除雪が終わらないとかで、搭乗が1時間遅れ、機内に入ってからも1時間半ほど飛ばずに缶詰状態に。11:00過ぎに札幌のホテルを出発したのに、東京のホテルに着いたのは18:30頃。「移動だけで1日が終わっちゃったよ!もったいない!」と残念がる3人でした。

1月7日

この日は、川崎クラブチッタでのライヴ。その前に、楽屋でインタビューを1本収録しました。それから、『KOLLECTED - The Best of Kula Shaker』日本盤(3月5日発売)のブックレット用に、クリスピアンの語り(解説)を収録。

ちなみに、The Jeevasの楽屋に必ず用意されているものは、ベジタリアン用の寿司(カッパ巻、かんぴょう巻など)、野菜スティックたくさん、サンドウィッチの具となる野菜類&スライスチーズ、ライスケーキ(輸入品。見た目は発砲スチロールみたいな、甘くない米菓子)、パン、チョコレート、スナック菓子などなど。飲み物は、コーヒー&紅茶からソフトドリンクまで一通りありますが、特筆すべきはクリスピアン用の豆乳かな。

ライヴの後は、ホテルに戻り・・・また、あのインディアン・レストランに行ったそうです。(おーい、1日おきにインディアンだぞー!)

1月8日

午前中に新幹線で名古屋に移動。この日は快晴で、窓から雪をかぶった富士山が綺麗に見えました。富士山マニア(?)のクリスピアン、東京で新幹線に乗り込むなり、「富士山が見えるちょっと前に教えてね。絶対だよ」とスタッフに念押し。その富士山が遠くに見え出すと、アンディとダンも加わって3人で窓から写真を撮りまくっていました。「後で、もっと間近に見えるんだよ」と教えられると、さらに目を輝かせ・・・最も近づくポイントでは、もちろん大撮影会!'99年にクーラ・シェイカーのツアーで来日した際には、わざわざ富士山麓まで足を運んだものの、雨のため、登るのはおろか、山を見ることさえもできなかったクリスピアン。「今日は、前に来たときほど天気が良くなくて、残念だよなぁ」と悔し紛れに皮肉を。

名古屋のライヴ会場はクラブクアトロ。サウンドチェックに向かう車の中で、「クーラ・シェイカー初来日時の名古屋公演と同じ会場じゃない?ショッピング・ビルの中にあるんだけど、覚えてる?」とスタッフに訊かれるも、「どうだろう・・・覚えてないや・・・」と言うクリスピアン。ところが、クアトロに一歩入るやいなや「あっ!思い出した。ここで演ったことあるね」と記憶をよみがえらせました。

さて、そんなクアトロでの熱いライヴを終え、ホテルに戻ったThe Jeevasの3人。食事はおのおの済ませ(ダンは、ルームサービスでラーメンを頼んだそうですが・・・「熱くて熱くて、口の中ヤケドしちゃったよ・・・で、半分以上残しちゃった」とのこと)、その後、みんなでアフターショウ・パーティーに。しかし、会場を1歩入ったところでファンに取り囲まれてしまったクリスピアンは、ちょっと怖くなってしまったみたいで、すぐにホテルに戻ることに。アンディとダンは、そのまま残り、1時間くらいパーティーを楽しみました。アンディは、ちょっと肋骨が痛そうでしたが「不思議な、面白いパーティーだったよ」と言ってました。

1月9日

名古屋から大阪への移動し、ホテルにチェックインするも、部屋の窓が開かないことに気づいたクリスピアンは、急遽ホテルを変えることに。夕方、大阪のラジオ局で生番組に出演。漫才のようなインタビューとアコースティック・パフォーマンスを披露してくれました。

さて、夜はどこで食事をしよう、とスタッフが迷っていると、クリスピアンが「今日の午後、街をふらふらと歩いていたらカフェがあったんで入ってみたんだけど、いい雰囲気のところで味も良かったよ。ポテトとか、サラダとか。そこにまた行くのもいいかも」と言うので、みんなでそのカフェに行きました。ダンは、カラスミのパスタなど、食べたことのない食材にチャレンジ。アンディはシーフード系ピザ、そしてクリスピアンは特注のベジタリアン・ピザにタバスコをドバーッとかけて食べていました。

このカフェではMTVがスクリーンで流れていて、そこから話題はMTVの番組『The Osbournes』に。まだイギリスではこの番組が放映前だった昨年夏、ファースト・シーズンの全エピソードをビデオで日本から持ち帰っていたクリスピアン。「あれ、イギリスに帰ってから一気に見たんだけどさ、スッゴイよね、あの番組。まとめて一気に見たから、あの世界に引きずり込まれたっていうか、僕の周りの空気にまでオズボーン家の匂いが染みついた気がしてさ・・・ヤバかったよ」とのこと。

食事も終わり、ホテルへ歩いて帰る途中、クリスピアンが、ダンとアンディに「君たちに見せたいものがあるんだ。ちょっとだけ遠回りになるけど、いい?」と言って案内した先には・・・「かに道楽」の巨大なカニの看板が。この日出演したラジオ番組のインタビューで、「僕たち、北海道はカニが美味い、ってことを後で知ったから、札幌ではカニ食えなかったんだよね」という話をアンディとダンがしてから、やたらとカニの話で盛り上がっているThe Jeevasでした。

1月10日

ライヴまでは、各自ゆっくり過ごした模様。ON AIR大阪でのライヴも大成功!その後、クリスピアンは楽屋でサンドイッチを自分で作り、晩ご飯に。(安上がり!)ツアーも中盤に差しかかり、今まで折れた肋骨のままドラムを叩き続けてきたアンディは、ゆっくりとホテルで食事をとることに。この日、大阪では、あの有名な「えびすさん」が始まったということもあって、ダンとツアー・クルーはえびす神社へお参りに出かけました。夜なのに、すごい人だかりで、大勢の人が一斉にお賽銭を投げる様子や、昨年のお札やお守りを火にくべている様子を見て、ダンは驚いている様子でした。おみくじを買ったり、出店で大阪名物のたこ焼きを買って食べたり、日本、そして大阪ならではの夜が過ごせたみたい。お参りの後は、鉄板焼きのお店に行って、お好み焼きや和牛ステーキをたらふく食べ、「インド料理もいいんだけどね、ずっと日本ならではの食事をしたいと思っていたから、今日は大満足!」と言っていたダン。そういえば、今回の旅では、いわゆる日本的な食事は初めてでしたね。

1月11日

お昼過ぎに、大阪から新幹線で広島に到着しました。「広島に行ったら、絶対、平和祈念館を訪れたい」と前々から言っていたクリスピアン。スケジュールにはあまり余裕がなかったので、ホテルに荷物を置いてすぐ、アンディ、ダンと一緒に平和祈念公園の中にある祈念館を訪問。一つ一つの展示品とその解説を時間をかけて、じーっと見入っていたクリスピアンの様子が特に印象的でした。展示品の中には、やはり見るのが辛い内容のものもあり、見学を終えた3人は「ヘヴィーだよね・・・」「戦争って、やっぱり馬鹿げてるよね」など口数は少ないながらも、感想を述べていました。広島でのライヴは、会場のサイズは小さめながら、オーディエンスの熱さは半端ではなく・・・終了後は「広島って、すごいね。こんな熱いライヴになるとは思ってなかったよ」とクリスピアン。ライヴの後は、全員でこじんまりとしたイタリアン・レストランに行き、サラダやピザやニョッキを堪能しました。普段はほとんどお酒を飲まないクリスピアンですが、この日は「みんなワイン飲まない?」と言って赤ワインを頼んでいました。

1月12日

西へ西へと移動する旅、お次は福岡へとやって来ました。ホテルに荷物を置いて、すぐ会場へ向かいサウンドチェック。この日はアンディの骨折の痛みがひどくなってしまい、サウンドチェックも軽め。アンディとダンは一度ホテルに戻りましたが、クリスピアンは会場に残ってギターを弾いたり、ドラムを叩いたり、がらんとした客席でサッカー・ボールを蹴って遊んだりしていました。一度、彼がサッカー・ボールをいきおいよく蹴ったら、客席の壁に取り付けてある空調設備のパネルに命中。パネルが「バ〜〜ンッ!」とものすごい音を立てて外れ、床に落ちてしまい・・・会場で準備をしていた日本人スタッフの注目が集まる中、クリスピアンは、「やっちゃった・・・」って顔をして、パネルを直しに駆け寄ったスタッフに「すみません・・・」と謝っておりました。

ステージではひたすらカッコイイ彼だけど、本当はいたずら小僧みたいな一面もあるんだよな〜・・・とか思っていたら・・・この日のライヴでは、ファンからプレゼントされた「バカ殿」のお面を被り、その上からサングラスをしてステージに登場。(今度はそれを見ていたスタッフが「やっちゃった・・・」って顔をしていました。)折れた肋骨が痛んで、朝から笑顔が全く見られなかったアンディも、ステージではいつもと変わらぬプレイを見せてくれました。さすがはプロ。そして、福岡の会場も熱かったです。

ライヴ終了後は、会場の外で待っていた100人近いファンに見送られながら一度ホテルへ。その後、アンディはホテルで文字通り「骨休め」、ダンとクリスピアンは和食のお店へ。日本には何度も来ているクリスピアンですが、もしかしてもしかすると「和食のお店に入るのは初めてかも」とのこと。和食には魚のダシが多用されているため、確かにベジタリアンには難しいのですが、ここのお店には特別メニューで、湯葉、湯豆腐、そして野菜の天ぷら(お塩で食べる)、野菜の蒸しもの、などを出していただきました。あまり大食いのイメージはないクリスピアンですが、この日は、横で見てて「よく食べるなぁ」と思ってしまうくらい、食べまくっていました。食べたことのない料理にトライするのが大好きなダンも、ご満悦。この日は、二人とも日本酒の熱燗まで頼んじゃって、ほろ酔い気分で福岡の夜を楽しんでいました。明日はアンディが元気になっているといいなぁ。

1月13日

福岡から東京へ飛行機で移動。アンディがだいぶ元気になっていて一安心。東京に着いてからは、クリスピアンのみ雑誌の取材を2時間ほど受けました。アンディとダンは「自力で行けるもんね〜」と、2人で地下鉄に乗って原宿へお買い物に。それぞれスニーカーを1足ずつ買って戻って来ました。夕刻、ロンドンからバンド・マネジャー2人が到着。再会を記念して(?)、そう、全員でいつものインディアン・レストランへ。メンバー3人は、今回のツアー中に起こったいろいろな出来事やライヴの様子をマネジャーに話していました。

1月14日

東京公演初日。サウンドチェックの前は、渋谷をぷらぷらしたり、ホテルで過ごしたりと、思い思いに過ごした模様。アンディもすっかり回復して、絶好調のライヴを見せてくれたThe Jeevas。クリスピアンの日本語MC(「コンバンハ」「アリガト」など)も絶好調。クーラ・シェイカー時代からクリスピアンと仕事をしてきたツアー・クルーのサイモンいわく「僕は、昔から、簡単な日本語の挨拶をアルファベットで書いた紙をステージに貼ってきたんだ。クリスピアンがその気になればいつでも言えるようにね。だけど、クーラ・シェイカー時代は、彼は日本に来ても日本語で挨拶をすることは一度もなかったと記憶してる。恥ずかしかったのかな?理由は分かんないんだけど。だから、今回のツアーで、クリスピアンが日本語で挨拶するようになって、僕は驚いているし、嬉しいんだよ。だって、'96年の初来日から約6年かかったんだから!」そんな裏話があったとは。日本にもすっかり慣れて、ライヴでもリラックスできている証拠でしょうか?

ライヴの後、会場裏の駐車場から車に乗ってホテルに向かっていたメンバー3人ですが、駐車場の外でファンが待っているのを見ると、運転手さんに「止めて!」と頼んで、路肩に車を寄せ、なんと車のドアを開けて、その場で急遽サイン会を開いていました。走っていた車を止めてまで、ファンの思いに答えようとする姿勢には、スタッフ一同、感動しました。やはりファンあってのThe Jeevas、ということはメンバーが一番よく知っているのかもしれません。

1月15日

とうとうツアーの最終日がやって来ました。昨日の東京公演にも大満足していたクリスピアン、ダン、アンディの3人。この日も会場は昨夜と同じ場所ながら、サウンドチェックをきっちりとして、その後は雑誌の取材を数本受けました。最終日ということもあって、演奏にも力が入っていた3人。いつもはステージでのアクションが控えめなダンも、ベースを弾きながらクリスピアン側に歩いて行ったり、アンディと顔を見合わせながらリズムを取ったりと、行動範囲を広げていたような気が。今回のツアーでは、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」を各会場でマイケル・ムーア(映画監督)と先日急逝したザ・クラッシュのジョー・ストラマーに捧げていたクリスピアン。この日も'This song is dedicated to Michael Moore, Michael Moore...'とリズムに乗せて歌い始められたこの名曲は、オーディエンスの大合唱もあって、ライヴのハイライトとなったのではないでしょうか。そして、「みんなホントにありがとうね!フジロックで会おう!」というクリスピアンの言葉で、ツアーはフィナーレを迎えました。

The Jeevas初のジャパン・ツアーを大大大成功させた3人は、アフターショー・パーティーの会場と隣接するレストランで打ち上げを。食事をしている最中に、日本人スタッフに「そのジャケット、いいね」と誉められたクリスピアン、「ああ、これ?昨日、原宿の古着屋で買ったんだよ」と。何気ない会話のようですが、スタッフはビックリ。「え?昨日、原宿に行ったの?私、聞いてないよ。誰が連れて行ってくれたの?」「僕一人で行ったんだよ」「ウソ?一人で?」「うん。そんなに驚かないでよ。もう君に連れて行ってもらわなくても、一人で買い物にくらい行けるよ。僕、成長したでしょ?(笑)」まあ、クリスピアンも、もうすぐ三十路を迎える大人の男性ですから、それは当たり前なのかもしれないのですが、クーラ・シェイカー時代からクリスピアンの世話をしてきたスタッフによると、日本でクリスピアンが一人でどこかに行ったのはこれが初めてだそうです。

食事を済ませて、いよいよアフターショー・パーティーの会場であるクラブへ。裏側から様子を覗くことにしたメンバーは、ビールやミネラルウォーターを片手に、リラックス。DJが手作りしたクリスピアンのお面と紙でできたギターを見て、バカウケした御本人。マネジャーに「それ被って、DJブースに立って来い!」と言われ、「えー。恥ずかしいよー。」本物のギターを持ってステージに立つ時は、あんなに堂々とプレイしているのに、シチュエーションがちょっと違うだけで、妙にシャイになってる・・・。「じゃあ、まず僕が手本を」とか言いながら、クリスピアンのお面を被ってDJブースに立ってしまったマネジャー氏。続いてアンディやダンが素のままで姿を見せると、フロアからは悲鳴のような黄色い声が上がり・・・さすがに自分だけ登場しないわけにはいかなくなったクリスピアンは、自分のお面を被り(でも、ブロンドの髪がはみ出ているのでバレバレ)、ファンの前に姿を見せました。一瞬だったけどね。恥ずかしかったらしいので、勘弁してあげてください。アンディは、ずっと残ってDJプレイを勉強したかったらしいけど、翌朝は早起きしてロンドンへ帰らないといけないので、みんな後ろ髪を引かれながら、早めに会場を後にしました。

1月16日

「いつも集合時間に遅れて来るのは誰でしょう?はい!クリスピアン・ミルズですっ!正解!・・・待たせんなよぉ〜・・・」とアンディが眠そうな顔でブツブツ独り言を言っているうちに、まあ、確かにいつも若干ごゆっくりなミルズ氏もホテル・ロビーに下りて来て、The Jeevasの3人は成田空港経由でロンドンへ飛んでゆきました。ダンは日本で買ったコートを着て、自分で持ってきたコートは丸めてリュックをパンパンにしたまま、帰って行きました。また、会おうぜ、The Jeevas!素晴らしいライヴの数々を、ありがとう!