1942年 ニュー・ヨーク、ブルックリン生まれ。
幼少の頃からピアノを始め、ティーンの頃にはすでにソングライターとして才能を顕しはじめていた。大学に入ると、その後最初の夫となるジェリー・ゴフィンと出会い、作詞をジェリーが、作曲をキャロルがするという風にソングライターのチームとして活躍し始める。
58年には10代で結婚、ソングライターの仕事もプロとして軌道にのりだす。その一方でキャロルは自らが歌うスタイルでシンガー・デビューを果たすが全くヒットすることなく終わった。
60年代前半になると、ゴフィン=キングチームは、次々とヒットをとばす。シュレルズの「ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロー」、リトル・エヴァ「ロコモーション」、アレサ・フランクリン「ナチュラル・ウーマン」・・・・この時代にゴフィンとキングが書いたナンバー1及びトップ10ヒット曲は今では音楽界の伝説となっている。
しかし68年にはゴフィンとの離婚が正式に成立し、ベーシストであるチャールズ・ラーキーと再婚、ロスアンジェルスに移住した彼女は、ラーキーラーキー、ギタリスト、ダニー・コーチマーと68年にシティというバンドを結成、同年に最初で最後のアルバム『夢語り』をリリースする。その後キャロル・キングは再びソロとして70年に『ライター』(writer)をリリースする。しかしこれもシティ同様ヒットには恵まれなかった。
そして彼女の運命を決定付ける1枚のアルバムを71年にリリースする。未だに語りつがれ、聴かれつづける名盤『つづれおり』(Tapestry)は世界的な大ヒットとなり、女性シンガー・ソングライターの第一人者としての名声を獲得する。
このアルバムは302週間も全米チャートにランクされ続け、グラミー賞で最優秀アルバム賞、最優秀女性ボーカル・パフォーマンス賞、ベスト・シングル賞、ベスト・ソング賞の4部門を受賞。売上は2500万枚を超え、25年間にわたり、女性アーティストのベストセラー・アルバム記録を維持した。
その後も71年『ミュージック』(music)、72年『ライムズ&リーズンズ』(Rhymes & Reasons)、73年『ファンタジー』(Fantasy)、74年『喜びにつつまれて』(Wrap Around Joy)、75年『おしゃまなロージー』(Really Rosie)、76年発表『サラブレッド』(Thoroughbred)など順調に作品を発表、その地位を確固たるものとした。
2002年には久しぶりとなるオリジナル・アルバム『ラヴ・メイクス・ザ・ワールド』をリリース、変わらない歌声とメロディーで健在ぶりをアピール。2004年にはUSにて“リヴィング・ルーム・ツアー”を行った。
またその間も他のアーティストへの楽曲提供などもおこなっている。ジャンルや年齢を問わずにリスペクトを受けている唯一無二の存在である。