この名盤にはもう一つのミックスが存在していた・・マイルス・デイビスの傑作『ビッチェズ・ブリュー』
幻の4chミックスが8月8日、衝撃の世界初復活。
エレクトリック・マイルスの金字塔にして歴史を揺るがす傑作『ビッチェズ・ブリュー』(1970)。ロックやファンクの要素を取り入れファン層を広げた作品で、帝王マイルス・デイビスにとって初のゴールド・ディスクとなりグラミー賞を受賞した記念碑的アルバムだ。20世紀の名盤として人気の本作、実はステレオ・ミックスとは別に4チャンネル・ミックスを収録したもう1つの<クアドラフォニック>ヴァージョンが存在していたのだった。
来月8月8日(水), 幻のクアドラフォニック作品が世界初SA-CDマルチ(4ch)・ハイブリッド盤で発売となる。1970年前半当時発売されていたクアドラフォニック盤が視聴可能なオーディオ・システムが世の中から消えてしまったため一体どんな音だったのかこれまで聞くことができなかったのだが、この度4chミックスのクアドラフォニック盤アナログ・マスターから47年ぶりにSA-CDマルチ(フロント・リアの4チャンネル)ハイブリッド盤で世界初復活となる。また SA-CDステレオ層・CD層についても、1970年発売のアナログ・マスターから最新マスタリングがほどこされており、SA-CD4ch&2chとCDが1枚で聴けるハイブリッド・ディスクならではの充実の内容となっている(2018年最新リマスター)。
ウェイン・ショーター、チック・コリア、デイヴ・ホランド、ジャック・ディジョネットのクインテットを中心にジョー・ザヴィヌル、ベニー・モウピン、ジョン・マクラフリン等12人の精鋭たちと緊張感にみちた最高にクールな音世界を作り上げたマイルス。4本のスピーカーからプレイヤーたちのみずみずしいエネルギーがあふれ出し、まるでメンバーが演奏している空間の中で聴いているかのような臨場感を360度で体感できる4chミックス。あの“ウッドストック”の翌日、1969年8月19日から21日まで行われたレコーディングから約半世紀を経て、いま私たちはこれまで聞いたことのなかったその衝撃のサウンドに驚愕する。
日本独自企画のパッケージは7インチ紙ジャケット仕様。日本盤クアドラフォニックLP(銀ジャケ)アートワークと帯を初復刻。当時のオリジナル解説とともにクアドラフォニック・ミックスについての新規解説を収録。特典として芸術的アートワーク(両面)のステッカーが封入される。
【クアドラフォニックとは】
70年代初頭、多くのアーティストが2chミックス(STEREOPHONIC)とは別に4ch ミックス(QUADRAPHONIC)を制作していた。4chを聞くためのオーディオ・システムも大々的に売り出され、そのシステムで楽しむためのソフトとして,クラシックからジェフ・ベックやサンタナ、マイルス、ジョニー・キャッシュまで幅広いジャンルを網羅したクアドラフォニック作品が発売された。4chミックス盤の中でもSQ方式(CBSとソニーが共同開発したステレオ・クアドラフォニックの略)で録音されたものは一般のレコード・プレイヤーでも再生可能なことから<別ミックス盤>として世界的なコレクターズ・アイテムとなっており、アートワークにはSQのロゴが入っている。70年代中盤になるとシステム自体が下火となり世の中から消滅してしまった。
【アルバム情報】
タイトル:マイルス・デイビス「ビッチェズ・ブリュー」SA-CDマルチ・ハイブリッド・エディション
発売日:2018年8月8日 完全生産限定盤・日本企画
品番:SICJ10008-9 (2枚組)
定価:5500円+税
商品リンク:https://www.sonymusic.co.jp/artist/MilesDavis/discography/SICJ-10008
・SA-CD マルチ(4ch):71年に4chミックス盤として世に出たクアドラフォニック盤アナログ・マスターから47年ぶりに世界初のSA-CD化。フロント/ リアの4チャンネル。
・SA-CD Stereo/CD層:70年に発売されたアナログ・マスターからの最新マスタリング
・7インチ紙ジャケット(アナログ・シングル・サイズ)
・72年発売 日本盤クアドラフォニックLP(銀ジャケ)、帯のアートワーク初復刻
・カルロス・サンタナの特別寄稿(1998)復刻
・野口久光氏による1970年発売時オリジナル・ライナーノーツ復刻
・原雅明氏によるクアドラフォニック・ミックス復活の解説
・両面アートワーク ステッカー封入
・2018年最新リマスター