03. Two of A Kind (S.O.S. meets CHEMISTRY)
original music concept:KO-ICHIRO

このコラボレーションの発端はCHEMISTRY誕生以前にさかのぼる。彼らがデビューするきっかけとなったオーディション番組の中で自主課題曲として選んだのがS.O.S.の「ama ミ oto」。川畑要がバイト代をはたいて買ったCDを堂珍嘉邦に聴かせ、ふたりで練習していたのだった。
そのオーディションの総合プロデューサーだった私は、その頃KO-ICHIROから「僕らの曲を取り上げてくれてありがとう」という言葉をもらっていた。S.O.S.の3人はアーティスト志望の若い世代が自分たちの楽曲を取り上げてカバーしていることをシンプルに喜んでいたというわけである。そんな経緯があり、両グループがたまたま同じスタジオに居合わせた時に私は互いに紹介しておいた。その時にTAKEが感じたという「同じニオイ」がそのまま詩想となった。
アレンジに関しては松浦晃久氏が手がけた。氏はS.O.S.の最もよき理解者のひとりであり、CHEMISTRYのアルバム『The Way We Are』の収録曲「Motherland」の作曲者でもある。何を隠そう、その曲でドラムを叩いているのがKO-HEYだ。ここでは両グループを知る松浦氏ならではの手際が光る。両者の持ち味を考慮しつつ、アース・ウィンド&ファイヤーやコン・ファンク・シャンあたりの70年代サウンドをも彷彿とさせる音作りが素晴らしい。そして、2番歌詞に入る直前、CHEMISTRYのふたりにマイクリレーする箇所でのTAKEの千両役者ぶりときたら!